吉本浩二 (イラスト), 宮崎 克 (原著)

『 このマンガがすごい!2012 オトコ編 』で、見事1位の座を射止めた漫画。
手塚治虫の名作、ブラックジャックを中心に、
彼の制作現場の裏話を、関係者の証言を元に再現した作品。
表現者して泥臭いまでに、自身の理想を追い求めた手塚治虫の情熱が心を打つ内容。
人は彼を漫画のカミサマと呼び、漫画界の頂点に立つ誰もが認める天才。
時に、天才とは、人よりも努力をいとわない才能を持った人を指すと言う。
絶えまない探求心と、理想を追求するための絶対的な行動量を努力と呼ぶのであれば、
彼もまた例外ではなく努力の天才だったようだ。
連載を8本かかえていたときは、
年末年始も含め、年中無休で作業に当たり、徹夜も日常茶飯事。
タクシーや飛行機の中など移動中でさえマンガを書いていたというのは、有名なエピソード。
どんなに多忙でも、クオリティには一切妥協しない。
ブラックジャックのストーリーを考えるとき、
自身でストーリー案を4案を出し、編集者に意見をもとめ
1案に絞っていくのが慣例だったらしい。
100話あったら、その裏には使われなかった300話があるという。
また、人がどんなに彼を賞賛しようとも驕ることなく、
若手の画風や漫画を研究し、常に自身の表現を高めていく姿勢を忘れなかった。
「創作を志すものが、完璧をめざさないでどうするんですか!」
という彼のメッセージは力強い。
僕の仕事は決して、表現や創造性を極める仕事ではないれど。
それでも、その分野のプロフェッショナルとして、完璧を目指さなくてならない。
いま自分にできる最高のパフォーマンスを続けなければ、いまの自分は一生越えていけない。
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