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2012年2月8日水曜日

【読了】ソーシャルデザイン/グリーンズ編


社会が抱える幅広い問題を、画期的なアイデアで、解決させる。
そんな素敵な事例に溢れた一冊。 
その中で、いくつか気に入った事例があったの紹介します。


Speed Camera Lottery

スウェーデンではじまった試み。
スピード違反をした人に罰金を払わせ、
制限速度を守って運転した人に宝くじがあたるという制度。
違反者の罰金を、宝くじの賞金に当てるというのがポイント。

社会の制度って、ペナルティが先行していて、
正しいことをした人にインセンティブがあるケースって実はあんまりないけど、
抑制だけじゃなくて、報酬を組み合わせたほうが、よい結果が生まれそう。



『自家発電型サッカーボール』

世界では16億人の人々が非電気化地域に住んでいると言われているらしい。
そんな途上国の深刻な問題を、「子供はどれだけ遊んでも遊び足りない!」という
無限(?)のエネルギーで解決しようとしている素敵なアイデアがある。

それは、自家発電型サッカーボール。
キックされたり転がったりして生まれる衝撃を電気に変換することができ、
およそ15分間蹴るだけで、小型LEDランプ3時間分の電力が充電されるという。

なんとも夢があって、良い仕組みだな。



そのほかの、いくつかの事例を目を通してみて、
課題を解決させるほどの優れたアイデアには共通して、
人々の「行動」を変えるだけの出来る力を持っていると感じた。

そして、この本が定義している、下記のソーシャルデザインという概念が示しているように、
行動を変えるためには、「アイデアの仕組化」が重要なんだな。


ソーシャルデザインとは、
社会的な課題の解決と同時に、新たな価値を創出する画期的な仕組みを作ること。


2012年2月6日月曜日

これからの○○

『ソーシャルデザイン ~社会を作るグッドアイデア集~』/グリーンズ編





この本の中でいいな、と思ったフレイムワークがある。

それは「これからの○○というもの。

ソーシャルデザインでは、マイナスをプラスにする発想が大切。そのためのマジックワードが、「これからの○○「これからの○○」というシンプルな問いかけの先には、既存の枠を取っ払った自由な可能性が開かれている。


「これからの満員電車

「これからの選挙活動


「これからの“喫茶店”」

「これからの広告代理店


シンプルなフレームに、既存の概念を嵌めていくと、
なんだか、Something newな雰囲気に誘われて、思考が広がっていく。

2012年2月1日水曜日

【読書】旅をする木/遠い北の大地を想う


よくある喩え話で、「無人島に、本を1冊持っていけるとしたらどの本にするか」
という問いがあるけれど、そんなことがもし現実的に起こったとしたら
悩みに悩んだ挙句に、ぼくはこの本を手に取ると思う。

星野道夫 『旅をする木』


アラスカの自然を撮り続けた写真家、星野道夫のエッセイ集。
解説を含めて241頁しかないとても薄い本だ。














久しぶりに読み返してみたけれど、
風景描写の美しさや、アラスカを舞台にした人々のドラマが、
何度読んでも、胸を打つ。


僕がこうして、新宿のオフィス街の片隅で、
深夜、パソコンに向かってキーボードを叩いている、この瞬間・・・、
アラスカの凍てついた大地を、カリブーの大群が行進し、
南東アラスカの海で、シロナガスクジラが潮を吹き上げ、
ルース氷河の上空には、オーロラが舞っているかも知れない。

同じ時間軸の中で、まったく異なる世界が存在していることの
なんとも言えない不思議さと、奥深さに、思いを馳せずにはいられない。

矢のように過ぎ去っていく時間に属しているからこそ、
人間が主役ではない世界の悠久の時の流れに意識を落してみることで、
バランスが取れるような気がする。



ドッグイアにまみれたページの中から、
僕が気に入っているセンテンスを抜き出して引用する。



無窮の彼方に流れゆく時を、
めぐる季節で確かに感じることができる。
自然とは、何と粋なはからいをするのだろうと思います。
1年に1度、名残惜しく過ぎてゆくものに、
この世で何度めぐり合えるのか。
 その回数をかぞえるほど、
人の一生の短さを知ることはないのかもしれません
(北国の秋より)

人間の気持ちとは可笑しいものですね。
どうしようもなく些細な日常に左右されている一方で、
風の感触や初夏の気配で、こんなにも豊かになれるのですから。
人の心は、深くて、そしてふしぎなほど浅いのだと思います。
きっと、その浅さで、人は生きてゆけるのでしょう。
(新しい旅より)


私たちが生きてゆくということは、
誰かを犠牲にして自分自身が生きのびるかという、
終わりのない日々の選択である。
生命体の本質とは、他者を殺して食べることにあるからだ。
(カリブーのスープより)

手が届きそうな天空の輝きは、
何万年、何億年前の光が、やっと今たどり着いたという。
無数の星々がそれぞれの光年を放つなら、夜空を見上げて星を仰ぐということは、
気の遠くなるような宇宙の歴史を一瞬にして眺めていること。
が、言葉では分かっていても、その意味を本当に理解することはできず、
私たちはただ何かにひれ伏すしかない。
(ルー
ス氷河より)

アラスカという大自然に何年も向き合った写真家だから持ち得たであろう、
自然に対する真摯な眼差しと洞察が素敵だ。

何時の日か、彼と同じ景色をみてみたい、そう強く思う。

2012年1月14日土曜日

【読書】アルケミスト―夢を旅した少年

同じ本を二回読むことって、あんまり無いのだけれど、
この本は、学生時代にも1度読んでいて、今回は2回目。


なぜだか不意に読みたくなって、
思わずページをめくったよ。


『アルケミスト―夢を旅した少年』 /パウロ コエーリョ





今回読んで感じ取ったのは、自分の心との対話の大事さ。


心がわき立っているのはなぜか。
心がかすかに怒りを覚えているのはなぜか。
心が重く、息苦しいさを覚えてるのはなぜか、

心が感じていることを、頭で思考し、行動に転化する。




2011年12月28日水曜日

【読書】『ブラックジャック創作秘話~手塚治虫の仕事現場から~』

『ブラックジャック創作秘話~手塚治虫の仕事現場から~』
吉本浩二 (イラスト), 宮崎 克 (原著) 




『 このマンガがすごい!2012 オトコ編 』で、見事1位の座を射止めた漫画。
手塚治虫の名作、ブラックジャックを中心に、
彼の制作現場の裏話を、関係者の証言を元に再現した作品。

表現者して泥臭いまでに、自身の理想を追い求めた手塚治虫の情熱が心を打つ内容。


人は彼を漫画のカミサマと呼び、漫画界の頂点に立つ誰もが認める天才。


時に、天才とは、人よりも努力をいとわない才能を持った人を指すと言う。

絶えまない探求心と、理想を追求するための絶対的な行動量を努力と呼ぶのであれば、
彼もまた例外ではなく努力の天才だったようだ。



連載を8本かかえていたときは、
年末年始も含め、年中無休で作業に当たり、徹夜も日常茶飯事。
タクシーや飛行機の中など移動中でさえマンガを書いていたというのは、有名なエピソード。


どんなに多忙でも、クオリティには一切妥協しない。
ブラックジャックのストーリーを考えるとき、
自身でストーリー案を4案を出し、編集者に意見をもとめ
1案に絞っていくのが慣例だったらしい。
100話あったら、その裏には使われなかった300話があるという。


また、人がどんなに彼を賞賛しようとも驕ることなく、
若手の画風や漫画を研究し、常に自身の表現を高めていく姿勢を忘れなかった。



「創作を志すものが、完璧をめざさないでどうするんですか!」
という彼のメッセージは力強い。


僕の仕事は決して、表現や創造性を極める仕事ではないれど。
それでも、その分野のプロフェッショナルとして、完璧を目指さなくてならない。

いま自分にできる最高のパフォーマンスを続けなければ、いまの自分は一生越えていけない。