2013年1月1日火曜日

映画 『東京物語』

新年早々、Huluで映画を観た (以下ネタバレあり)

小津安二郎監督 『東京物語』 1953年 / Hulu















老夫婦が息子・娘夫婦の元に上京する小旅行を通して、
家族の関係性の喪失と人間の孤独について描いた作品。

舞台は1953年。戦後から10年も経っていない時代の話ゆえ、

家族の結びつきはもっと強いものかと思い込んでいたけれど、
『東京物語』で描かれた家族は、時に残酷なまでに他人行儀で、自己中心的。
あくまで自分の生活が中心であり、それが原則となっている。

だがそこに悪意はない。


その冷淡な描写は、それが家族なのだという意図が見え隠れしている。


この映画が撮られてから、60年が経った今、

高齢化、核家族や共働きが進み、家族の有り様は大きく変わり、
その関係性はより希薄になった。


正月という時期も重なり、
親戚・家族・兄弟という共同体の意味はどこにあるのか、
ふと考えてしまう。

 京子「でも,ずいぶん勝手よ。言いたいことだけ言ってさっさと帰ってしまうんですもの。」
   (中略)

 節子「だけどね京子さん,私もあなたくらいの時にはそう思っていたのよ。」  
   でも子どもって大きくなると,だんだん親から離れていくものじゃないかしら。   
   お姉様ぐらいになると,もうお父様やお母様とは別の
   お姉様だけの生活ってものがあるのよ。   
   お姉様だって,決して悪気であんなことなさったんじゃないと思うの。   
   だれだってみんな,自分の生活が一番大事になってくるのよ」
 京子「そうかしら・・・。でも私そんな風になりたくない。
   それじゃ親子なんてずいぶんつまらない」
節子「そうねえ・・・。
   でもみんなそうなっていくんじゃないかしら。だんだんそうなるのよ」



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