2012年1月22日日曜日

ペイパルマフィアと松下村塾について


昨年のアドテック東京のワークショップを共にした、参加者・運営者の方々との新年会。
普段は競合関係となることが多い各広告代理店の方々と、腹を割って話せる貴重な会だった。

似たような環境で、ある種近しい価値観を持ちながら、
(それは、この業界を良くしようという熱意や野心、広告が好きという価値観だったりする)
時間軸は平行線を辿り、普段交わることがない人たちと、語りあい、
改めて感じたのが、自己を啓発させるために必要な刺激だった。



帰り道のタクシーの中。
ぼくは金八先生の中に出てくる「腐ったミカン」の逸話を思い出していた。

段ボールの中で腐ったミカンが1つでもあると、その周りのミカンも腐ってしまうという話を例に、
素行の悪い生徒が居た場合、そのクラスにはだんだん素行の悪い生徒が増えるという意見を、
金八先生は、次のような台詞で一蹴する。

「生徒はミカンじゃない、人間だ!」と。


金八先生の意見は、確かに全うなのだけれど、
それでもやっぱり人間は、関係性や環境によって影響を与え合うという意味では、ミカンと同じなんだと思う。

腐ったミカンの例はネガティブな側面で語られているけど、
ポジティブな影響という意味でも、同じで。

信念や矜持、時として野心を伴い、互いに切磋琢磨しあえる同士が近くに居るか居ないかは、
人の成長に大きな影響を与える。



少し話は変わるけど、
最近呼んだCOURIER JAPONの特集に、「ペイパルマフィア」という言葉があった。
曰く、PayPalという企業は、非常に多くの起業家を排出しているという。

僕の知っているサービスだけを抜き出しても、以下の通りで、Paypal出身の起業家はともて多い。

マックス• レフチン(スライド創始者)PayPal共同創始者
ピーター•ティール(クラリウム•キャピタル)会長)PayPal共同創始者
スティーブ•チェン(YouTube共同創始者)PayPalの元エンジニア
リード•ホフマン(リンクトイン共有創始者)PayPal元上級副社長
ジェレミー•ストップルマン(yelp共同創始者)PayPal元上級副社長

その記事では「社内風土」を切り口に、
なぜペイパルは優れた起業家を多く排出できたのかを論じていた。


PayPalの例のように、特定の企業が優れた人物を多く排出できる理由は、
記事にあった「社内風土」という側面を含めて、以下の3つがあると思っている。

(1)COURIER JAPONの記事にあったように、社内風土が優れた人を作り上げる。
(2)優れた企業には、優れた人材が集まる(育てるわけではなく自然と集まる)
(3)優れた人材の中で、優れた人材は育つ(人間関係が人を作り上げる)

(3)は、(1)に近しい概念だけど、企業が持っている、文化や仕組みではなく、
優良な人間関係の中で、優れた人が育つという意味としてあげている。


幕末、明治維新にかけて活躍した人物を多数育てた松下村塾も似たようなものかも知れない。
たった2年という時間、わずか50名という塾生の中から、
高杉晋作、山県有朋、品川弥二郎、伊藤博文など、
明治の礎を作り上げた高名な人物を局地的に排出できたのは、PayPalと同じ要因があったんだだと思う。



金八先生から、ペイパル、松下村塾にまで、話は飛んだけど、
結局何が言いたいかと言うと、
志を高くもった同年代のプレイヤーや、濃い経験を積み上げてきた先人たちの話を聞くことが出来た、
金曜日の新年会は、とても有意義であったよ、ということ。

そして、そんな機会をもっと創り出していく責任があるよという話。

0 件のコメント:

コメントを投稿