2012年2月19日日曜日

「努力」と「正解」と「覚悟」について

ネットで拾った言葉から。

「努力というのは、眠らない事じゃない、
苦しいことじゃない。我慢する事じゃない。
全力を傾けること。」
    「アドタイ/正しい努力は、楽しい努力。」伊藤 春香(トレンダーズ・キレナビ編集長)

シンプルな心理がこの言葉にはこめられているよなあ。

きっと努力って、Physical面で捉えてしまうと表面的な理解に留まってしまう。
対して、Mental面で捉えると、その本質やもっと尊い何かが見えてくるなあって。


僕は、全力を傾けることが出来るっていうのは、
とても幸せなことだと常々思っているので、
言い換えれば、努力できる環境は幸せだと言えるね。
(前日に書いた岩田さんの言葉にも通じるなあ)


人生の選択は、「正解」より「覚悟」

仕事でもプライベートでも人生の岐路や大きな節目に立った時、
程度に違いはあれど、多くの人は他人の基準を聞きまわり、
決断、選択をするための「正解探し」をしてしまうものです。
しかし残念ながら、自分でもお気づきかと思いますが、
どこを探しても「正解」など見つからないでしょう。
結局、人生の選択においては、「正解」「不正解」とあらかじめ定められた答えがあるのではなく、「自分の下した決断や選択が結果的に正解だったと思える」という事後的に決まることがほとんどではないでしょうか。
人生の選択は、「正解」より「覚悟」
    モチベーションの伝道師 小笹芳央のブログ(リンクアンドモチベーション代表) 


ついつい、正解を探してしまうのが人のサガだけれど、
「正解なんてないのだから」と割り切った境地に立つことが重要だよね。

きっと、大きな岐路に立っている時点では、「正解」なんてまだ産まれてすらいない。
「正解」という概念は、そんな即時的なものではなく、
選び取った道を、歩みながら、生成されてくる何かなんだと思う。

だからこそ、自分を信じて、その道を歩き続けていくための
強い覚悟が必要なんだね。

2012年2月17日金曜日

【DVD】プロフェッショナル/岩田守弘

最近、家に帰ってから、過去放送されていた「プロフェッショナル仕事の流儀」のDVDをみることが多い。
30分番組なので、疲れて帰ってきても、
睡眠時間を圧迫せずに、楽しむことが出来る。

中でも、「バレーダンサー 岩田守弘さん」の回が凄くよかったので、
印象的だった言葉を、このブログに残しておく。








バレーダンサー 岩田守弘

岩田守弘(当時38歳/現在41歳)ロシア・ボリショイバレエ団の史上初の外国人第一ソリスト。
ボリショイバレエ入団直後は、能力が有りながら”外国人“という理由で、
まともな役が貰えなかった苦節を味わいながらも、
その卓越した技術が認められ、現在はボリショイバレエ団の中でも屈指の存在感を示している。
惜しまれながらも、今年の6月を最後に現役から退くことを表明。


「苦しければ苦しいほど良い。そうすると磨かれてくるんじゃないですか。」
「苦しければ苦しいほど良い。そうすると磨かれてくるんじゃないですか。外からも内からも。人間って、良い時が重なっている時って、結果が凄く出るけど、成長してないと思うんですね。悪い時に成長している。良い時ばかりだと心が遊んじゃうんですね。
役が貰えない時とか自分に辛い時は逆に凄いご褒美、宝物なんですね。そういうものを経てきて、ずっと続けてきている人が本当に人を感動させられる踊りをする人達だから・・・僕も、そこまでなれるかどうか分からないけれど、そういう風に生きたいと思うんですね。
    岩田守弘バレーダンサー「プロフェッショナル仕事の流儀」より


苦しければ苦しいほど良い、なんてなかなか言えない。
逆境の中、諦めずにひたすら自己と向き合い、努力を重ね、
結果を掴み取った彼だから、こんなにも強い言葉を、清々しく言えるんだろうな。


自分に負けそうなときは、この言葉と、彼の存在を思い出すことに決めた。

仮に現実が冷酷で厳しくても、目を背けない。
楽をする脇道に意味なんてなくって、
過去にも、他人にも目もくれず、
ただ前だけを見据え、自分が出来る範囲の最大限の力を出して、時を重ねていく。

まだその先にあるものを信じられる。

2012年2月8日水曜日

【読了】ソーシャルデザイン/グリーンズ編


社会が抱える幅広い問題を、画期的なアイデアで、解決させる。
そんな素敵な事例に溢れた一冊。 
その中で、いくつか気に入った事例があったの紹介します。


Speed Camera Lottery

スウェーデンではじまった試み。
スピード違反をした人に罰金を払わせ、
制限速度を守って運転した人に宝くじがあたるという制度。
違反者の罰金を、宝くじの賞金に当てるというのがポイント。

社会の制度って、ペナルティが先行していて、
正しいことをした人にインセンティブがあるケースって実はあんまりないけど、
抑制だけじゃなくて、報酬を組み合わせたほうが、よい結果が生まれそう。



『自家発電型サッカーボール』

世界では16億人の人々が非電気化地域に住んでいると言われているらしい。
そんな途上国の深刻な問題を、「子供はどれだけ遊んでも遊び足りない!」という
無限(?)のエネルギーで解決しようとしている素敵なアイデアがある。

それは、自家発電型サッカーボール。
キックされたり転がったりして生まれる衝撃を電気に変換することができ、
およそ15分間蹴るだけで、小型LEDランプ3時間分の電力が充電されるという。

なんとも夢があって、良い仕組みだな。



そのほかの、いくつかの事例を目を通してみて、
課題を解決させるほどの優れたアイデアには共通して、
人々の「行動」を変えるだけの出来る力を持っていると感じた。

そして、この本が定義している、下記のソーシャルデザインという概念が示しているように、
行動を変えるためには、「アイデアの仕組化」が重要なんだな。


ソーシャルデザインとは、
社会的な課題の解決と同時に、新たな価値を創出する画期的な仕組みを作ること。


2012年2月6日月曜日

これからの○○

『ソーシャルデザイン ~社会を作るグッドアイデア集~』/グリーンズ編





この本の中でいいな、と思ったフレイムワークがある。

それは「これからの○○というもの。

ソーシャルデザインでは、マイナスをプラスにする発想が大切。そのためのマジックワードが、「これからの○○「これからの○○」というシンプルな問いかけの先には、既存の枠を取っ払った自由な可能性が開かれている。


「これからの満員電車

「これからの選挙活動


「これからの“喫茶店”」

「これからの広告代理店


シンプルなフレームに、既存の概念を嵌めていくと、
なんだか、Something newな雰囲気に誘われて、思考が広がっていく。

2012年2月1日水曜日

【読書】旅をする木/遠い北の大地を想う


よくある喩え話で、「無人島に、本を1冊持っていけるとしたらどの本にするか」
という問いがあるけれど、そんなことがもし現実的に起こったとしたら
悩みに悩んだ挙句に、ぼくはこの本を手に取ると思う。

星野道夫 『旅をする木』


アラスカの自然を撮り続けた写真家、星野道夫のエッセイ集。
解説を含めて241頁しかないとても薄い本だ。














久しぶりに読み返してみたけれど、
風景描写の美しさや、アラスカを舞台にした人々のドラマが、
何度読んでも、胸を打つ。


僕がこうして、新宿のオフィス街の片隅で、
深夜、パソコンに向かってキーボードを叩いている、この瞬間・・・、
アラスカの凍てついた大地を、カリブーの大群が行進し、
南東アラスカの海で、シロナガスクジラが潮を吹き上げ、
ルース氷河の上空には、オーロラが舞っているかも知れない。

同じ時間軸の中で、まったく異なる世界が存在していることの
なんとも言えない不思議さと、奥深さに、思いを馳せずにはいられない。

矢のように過ぎ去っていく時間に属しているからこそ、
人間が主役ではない世界の悠久の時の流れに意識を落してみることで、
バランスが取れるような気がする。



ドッグイアにまみれたページの中から、
僕が気に入っているセンテンスを抜き出して引用する。



無窮の彼方に流れゆく時を、
めぐる季節で確かに感じることができる。
自然とは、何と粋なはからいをするのだろうと思います。
1年に1度、名残惜しく過ぎてゆくものに、
この世で何度めぐり合えるのか。
 その回数をかぞえるほど、
人の一生の短さを知ることはないのかもしれません
(北国の秋より)

人間の気持ちとは可笑しいものですね。
どうしようもなく些細な日常に左右されている一方で、
風の感触や初夏の気配で、こんなにも豊かになれるのですから。
人の心は、深くて、そしてふしぎなほど浅いのだと思います。
きっと、その浅さで、人は生きてゆけるのでしょう。
(新しい旅より)


私たちが生きてゆくということは、
誰かを犠牲にして自分自身が生きのびるかという、
終わりのない日々の選択である。
生命体の本質とは、他者を殺して食べることにあるからだ。
(カリブーのスープより)

手が届きそうな天空の輝きは、
何万年、何億年前の光が、やっと今たどり着いたという。
無数の星々がそれぞれの光年を放つなら、夜空を見上げて星を仰ぐということは、
気の遠くなるような宇宙の歴史を一瞬にして眺めていること。
が、言葉では分かっていても、その意味を本当に理解することはできず、
私たちはただ何かにひれ伏すしかない。
(ルー
ス氷河より)

アラスカという大自然に何年も向き合った写真家だから持ち得たであろう、
自然に対する真摯な眼差しと洞察が素敵だ。

何時の日か、彼と同じ景色をみてみたい、そう強く思う。